日本はF1への新登竜門。レッドブルが育成ドライバー2名を送り込む (3ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 ティクトゥムやアウアーにスーパーフォーミュラの印象や、ヨーロッパでの評判について聞いてみた。

「以前から僕のドライビングコーチや多くの関係者から、『スーパーフォーミュラのクルマはとても速くて、世界的に見てもすばらしいカテゴリーだ』と聞いていたから、いつか走りたいなと思っていた。だから、今年スポット参戦できることが決まった時はすごくうれしかったし、レースを楽しみにしていた」(ティクトゥム)

「WECやル・マンで活躍しているアンドレ・ロッテラー(2003年から2017年までフォーミュラ・ニッポン/スーパーフォーミュラに参戦)が僕にとってのヒーローのひとりで、彼のレースをずっと追いかけて観ていた。そのひとつにスーパーフォーミュラがあったので、何年も前から参戦したいなと思っていた」(アウアー)

 また、スーパーフォーミュラに注目しているのは、レッドブル・ジュニアチームだけではない。ヨーロッパを中心に活躍している名門チーム「モトパーク」も2019年からスーパーフォーミュラに参戦。2017年からエントリーしているB-Max Racing teamとタッグを組み、日本のトップカテゴリーに乗り込んでくる。先日のテストでもヨーロッパからメカニックやエンジニアが来日し、作業に加わっていた。

 このように、スーパーフォーミュラはここ数年で一気に注目を集めるカテゴリーへと成長した。以前はレース中の追い抜きがほとんどなく、「観ていてつまらない」という不評もあった。だが、2018年から全戦で異なる2種類のスリックタイヤを使用しなければいけないルールが導入されたことでバトルが多くなったことも、世界が注目するようになった理由のひとつだろう。

 海外の有力チームが本腰を入れて参戦してくることで、2019年は間違いなく例年以上に熱いレースが繰り広げられるはずだ。海外のチームやドライバーから「F1への新たな登竜門のひとつ」として注目されるスーパーフォーミュラから、次は誰がステップアップするだろうか。

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