日本はF1への新登竜門。レッドブルが育成ドライバー2名を送り込む (2ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 今年8月に行なわれたスーパーフォーミュラ第5戦・もてぎには、レッドブル・ジュニアチームの責任者を務めるヘルムート・マルコが視察に訪れ、「来季も育成ドライバーを日本に送り込む」と語っていた。そしてシーズンを終えた12月、レッドブルはふたりの育成ドライバーをスーパーフォーミュラに参戦させることを発表した。

 ひとり目は、F3マカオグランプリを2年連続で制したダニエル・ティクトゥム(19歳/イギリス)。彼はすでに今年のスーパーフォーミュラで2レースにスポット参戦を果たしている。

 とくにデビューレースとなった第3戦・SUGOでは、テスト経験もなく、さらに初体験のコースにもかかわらず、予選9番手に入る速さを披露。決勝はリタイアとなってしまったが、彼を走らせたTEAM MUGENの手塚長孝監督は「短時間での吸収力と成長スピードはすごかった」と、彼のパフォーマンスに驚いていた。

 そのティクトゥムが2019年シーズン、満を持してフル参戦を果たす。関係者の間では「2017年のガスリーに匹敵する活躍をするのではないか」と、早くも注目を集めている。

 ふたり目は、ヨーロッパの有名レース「ドイツツーリングカー選手権(DTM)」で活躍していたルーカス・アウアー(24歳/オーストリア)だ。元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーの甥でもある。

 DTMでは3年間で6勝をマークしてきたが、アウアーの所属するメルセデスが2018年シーズンかぎりでの撤退が決まり、それを機にスーパーフォーミュラを新たな主戦場に選んだ。すでにスーパーフォーミュラのルーキーテスト、さらにはコース習熟のために全日本F3のテストにも参加し、積極的に走り込みを行なっている。

 また、鈴鹿でのテストには、レッドブルのF1マシンのデザインを手がけるエイドリアン・ニューウェイの息子、ハリソン・ニューウェイ(20歳/イギリス)も参加していた。ニューウェイはレッドブル・ジュニアチーム所属ではないが、彼も来年スーパーフォーミュラへの参戦が噂されている。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る