2018年のF1振り返り。ホンダの出来は予想以上だったのか? (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 最終戦アブダビGPでは、裏返しに止まったニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)のマシンで小さな出火があったにもかかわらず、即座に脱出できなかったことは議論を呼んだ。だが、マシンには消火器が搭載されており、サーキットのコース脇には消火器を持ったファイヤーマーシャルも待機している。ドライバーは耐火性能を持ったスーツとヘルメット(バイザーも含む)に身を包んでおり、最悪の場合でも消火までの数十秒間は十分に火に耐えられる。

 HALOよりさらに優れた頭部保護デバイスを研究開発することも、もちろん継続して進めていかなければならないだろう。ただ、現状ではHALOが最良のソリューションであるということも理解したうえで、ドライバーの命を守るHALOの導入を否定すべきではない。

 2018年はFIA F2やタトゥース製リージョナルF3車両にもHALOが導入されたが、2019年には新たに新車を導入するFIA F3やスーパーフォーミュラでもHALOが採用される。HALOはもはや、世界標準の安全デバイスとして定着しているのだ。

(3)へつづく>>

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る