レッドブル・ホンダは2019年にメルセデスとフェラーリを追い越せるのか (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

「全部不安ですね。今年は大きな取りこぼしも、小さな取りこぼしもありましたけど、来年はそういうものを全部クリアにしていかなければなりません。パフォーマンス面についても、最新スペックで上がったにしてもまだ全然追いついていなくてトップではないし、ライバルメーカーも止まっているわけではありませんから、楽観視できる状況でもありません。できるかぎり性能も信頼性も上げて2チームにパワーユニットを供給することが、パワーユニットマニュファクチャラーの使命だと思っています」

 山本雅史モータースポーツ部長も、レッドブルと組むことの意義を噛み締めている。

 2018年のホンダは「第5期」と言っていいほどガラリと体制を変え、実際に大きく生まれ変わった。まだ飛躍には至っていないが、その土台はできた。その土壌の上に大きく花を咲かせるのが2019年だ。

「レースって、いい車体といいパワーユニット、いいドライバー、そしてそれを総合的にマネジメントするチーム力が揃わないとダメで、ひとつでも欠ければチャンピオン争いはできないんです。レッドブルのマネジメント力や車体性能は申し分ないし、ドライバーも申し分ない。ということは、あとはどれだけパワーユニットが彼らの要求に応えられるか。それをやり切るだけなんです。

 もちろん、我々も過去3年間に苦労したことから学んだことも多いし、今年は来年へのステップを踏むためのいい成熟期だったと思うんです。失敗から学んで、いろんなことを構築し始めて、それを成熟させて、初めて方向性が明確になってきた。そういう意味で、来年の飛躍に向けて本当の意味の準備ができた1年だったと言っていいんじゃないかと思います」

 2018年はトロロッソ・ホンダとして、コンストラクターズランキング9位という無残な結果に終わった。しかし、目には見えないところで、ホンダの土台はしっかりと固まった。今季ホンダが注いできた努力の真価は、来季にこそ表れる。飛躍のシーズンを、楽しみに待ちたい。

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