レッドブル・ホンダは2019年にメルセデスとフェラーリを追い越せるのか (4ページ目)
ホンダとしても、レース現場の運営部隊は2倍になるため、最終戦アブダビGPには来季から加わるスタッフが視察に訪れ、レース翌週のテストではより深いレベルで実務に携わって知見を深めた。
「HRD Sakuraやミルトンキーンズで基本的な技術習得は済ませていますから、そのうえでサーキットという現場で実際に働くためのトレーニングです。トラックサイドエンジニアとメカニックの領域に関して、今回ここ(アブダビGP)に来ているメンバーは、来年に向けたスタートを切ったということになります。
彼らはずっとファクトリー側でやってきた人間ですが、そういう人が現場に来ると、『現場ではこんなことをやっているのか』ということを見つけ、『こんなことをやっているんだったら、ここはこういう設計にしたほうがいいんじゃないか』と気づいたり、『ファクトリー側ではこうしてほしいと思っていたけど、現場ではそうはできないんだ』ということが理解できたりするんです。
ですから、彼らの新しい目で見たときに、HRD SakuraとHRD MKと現場がうまく仕事を進めていくためにはどこを改善すればいいのかということを、フレッシュな目で見られるうちに気づいたことを私にどんどん言ってくれと伝えました」
最終戦ではトラブルが相次ぎ、「あらためて課題が見え、いい鞭(むち)が入った」と田辺テクニカルディレクターは語る。
2019年、ホンダはレッドブルとタッグを組み、「レッドブル・ホンダ」としてスタートを切る。ホンダにとっては第2期のマクラーレン・ホンダ以来、本当の意味でトップチームとタッグを組む。トロロッソとは次元の違う、技術力、精神力、戦いが要求されることになる。
今のF1におけるトップの世界がどういうものなのか、ホンダは手探りで歩み出そうとしている。そんな船出に不安はないかと問うと、田辺テクニカルディレクターはこう答えた。
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