レッドブル・ホンダは2019年にメルセデスとフェラーリを追い越せるのか (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 ホーナー代表は、その理由はマシン開発にあったと語る。

「夏休みの後から我々は開発を進め、前に進むことができたんだ。スパで表彰台に乗り、モンツァでも(フェルスタッペンの接触がなければ)表彰台が獲れたはずだった。シンガポールでもロシアでも速かったし、鈴鹿ではもちろん、オースティンでもメキシコでも表彰台に乗った。シーズン後半戦に我々は大幅にマシンを向上させることができた。

 実際のところ、シーズン序盤も我々は速かった。しかし、パワーユニットのアップグレードが投入されたカナダGPあたりからメルセデスAMGやフェラーリとの差が開いてしまった。それを夏休み明けに(車体開発によって)ふたたび詰めることができた」

 ルノーはスペックBとスペックCの開発につまずき、事前に予告していたとおりのパワーアップを果たすことができなかった。そのため、シーズン中盤戦にレッドブルは苦戦を強いられることになった。それを車体開発によってカバーしたのが、シーズン後半戦のレースペースの速さだったというわけだ。

「『たら・れば』を言うのは簡単だが、もし我々にあと40kWあれば、今シーズンはまったく異なるものになっていただろうね。間違いなく、我々のベストシャシーのひとつだ。同じエンジンのユーザーを見れば、異次元の速さであったことは明らかだろう」

 来季も4メーカーの勢力図が今のままなら、レッドブルはホンダにスイッチするだけでも2強との差をさらに縮めることができると、ホーナー代表は明言した。

「大幅に(2強に)近づくことができるだろう。実際に我々が目にしてきた結果や、聞いている話を元に判断すればね。紙の情報は一部に過ぎない。しかし、ストップウォッチは嘘をつかない」

 ただし、レッドブル・ホンダが目指すのは2強に近づくことではなく、2強を追い越すことだ。

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