トロロッソ・ホンダ、最終戦で惨敗。その壊れっぷりが来季への試金石 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 だけど、最終コーナーで1気筒が死んでしまった。ターン20の出口からターン21までの短いストレートでも、スロットルを踏んでからブレーキングの前にパワーの低下を感じ始めて、最終コーナーを曲がって立ち上がりでもう一度スロットルを踏んだけど、まったくパワーがなかった」(ガスリー)

 壊れたのは、以前から懸念箇所ではあったものの、現在のスペック3改良型にはその対策がまだ間に合っていない箇所だったようだ。想定外の問題が露呈したわけではない――という意味では、まだ救いがある。

「ICE(内燃機関エンジン)そのものに問題が発生し、(データ上でも)1気筒から出力が出ていない状態でした。兆候はなく、突然パワーを失いました。壊れている箇所はわかっていますが、ここでは中を開けず、詳細はHRD Sakuraに送り返してからしっかりと解析します」(田辺テクニカルディレクター)

 決勝では16番・17番グリッドからの戦いになった。ブレンドン・ハートレイは1周目の事故の影響でフロントウイングにダメージを負ってピットインを余儀なくされ、スーパーソフトタイヤで最後まで走り切る戦略に切り替えたものの、苦しい展開のまま12位でフィニッシュ。

 ガスリーはスーパーソフトでスタートし、序盤はウルトラソフトを履く前方のカルロス・サインツ(ルノー)についていったが、29周目にピットインするまでに16秒もの差をつけられてしまった。

 ピットストップを終えると、サインツが中団グループ最上位の6位に浮上していたのに対し、ガスリーはハース勢との9~11位争い。後方からはフレッシュなタイヤに履き替えたばかりのケビン・マグヌッセン(ハース)に15周も追い立てられ、10位でフィニッシュできたかどうかはわからない。

 しかし、その結末を見る前にガスリーのマシンからはまたもや白煙が上がり、マシンを止めなければならなくなってしまった。今度はオイル漏れだった。

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