戦闘力は高いのに、なぜホンダに負けたのか。ドゥカティGMに聞いた (2ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

「第1レース序盤はアレックスがとても飛ばしていたので、勝負に出て自分もついて行くかどうかが難しい判断だったけど、ついて行かないことにした。その後、雨が強くなってくるとアレックスより速く走れるようになってきたけど、路面状況がどんどん悪くなって何台も転んでいたので、バレンティーノとアレックスの間でレースをうまくマネージするのは難しかった。だから、第1レース中断時にバイクの上に乗っていることができてよかったよ」というこの言葉からも、第1レースのシビアな状況がよくわかる。

 第2レースで優勢を保ち、勝てた理由に関しては、「午前のウォームアップで新品タイヤを使わないという判断が適切だった」と説明した。

「だから第2レースでは、リアに新品タイヤを入れることができた。さらに、(第1レースでは)バレンティーノがブレーキングとコーナー進入で速かったので、自分もハードにブレーキできるようにセットアップにも手を加えた。タイヤとセットアップの相乗効果だね」

 最終戦を終え、ドヴィツィオーゾの年間総合成績は去年と同じくランキング2位。全18戦のうち半分の9戦で表彰台を獲得するというシーズンだった。

 決勝翌日の月曜に、ドゥカティ・コルセのゼネラルマネージャー、ジジ・ダッリーニャは2018年シーズンを振り返り、「ドゥカティ陣営としては、去年6勝で今年は7勝だったので、いい1年だった。フィリップアイランドやアラゴンといった苦戦してきたコースでも、今年は好結果を残すことができた。

 マシン面では、いい部分を維持しながら、改善すべき部分の底上げができた。しかも、ドヴィツィオーゾとロレンソというまったくライディングスタイルの異なる両選手とも勝つことができたので、バイクの素性もかなりいいと言える」と話した。

 ダッリーニャの自己評価どおりに、とくに今シーズン後半は「ドゥカティがもっともマシン戦闘力が高い」という声も多かった。だが、現実は、またしてもホンダとマルク・マルケスの前に屈する結果に終わった。

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