ホンダかレクサスか。
スーパーGT王座争いは最終戦決着へ

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

「決勝で巻き返せる」という彼らの自信は、スタート前のグリッドでも垣間見えた。

 今週末のオートポリスは、気温と路面温度の変化が予想以上に激しかった。とくにマシンセッティングを決める土曜日朝の公式練習では、気温11度、路面温度15度前後と、予想以上の寒さとなった。だが、日曜日の決勝レースでは気温17度、路面温度は36度まで上昇。このコンディション変化が各チームにとって、マシンセッティングやタイヤ選択をするうえで頭を悩ませる原因となった。

 そんななか、スタート前のグリッドでホンダ陣営ではマシンのボディカウルを開けて、セッティングを変更する場面が多々見られた。しかしその一方、レクサス陣営はマシンに触る様子はまったくなかった。キャシディが話していたとおり、決勝でのコンディションに自信があったのだろう。

 そしてスタートが切られると、あっという間にレクサス勢主導の流れへと変わる。12周目に36号車の中嶋がトップに浮上し、26周目には1号車のキャシディも2番手に上がった。さらにレース後半になると、ナンバー19のWedsSport ADVAN LC500(国本雄資/山下健太)が3番手に浮上し、ナンバー38のZENT CERUMO LC500(立川祐路/石浦宏明)も4番手と続いた。

 これに対してホンダ勢は、タイヤカスがタイヤ表面に貼り付いてしまう「ピックアップ」という症状に悩まされ、徐々に順位を後退。100号車が5番手につけたもの、ホンダ勢はレクサス勢にまったく歯が立たず、最後は残り6周でトップに浮上した1号車の平川/キャシディが今季初優勝を飾った。

「昨日の予選ではホンダ勢にトップ3を持っていかれて落胆していましたが、決勝では我々の強さを発揮できてよかったです。ピットのタイミングもよかったので、作戦的にもうまくいきました」(平川)

「今週末は改善をしなければいけないポイントがいくつかあったけど、チームががんばってパフォーマンスを上げてくれたので、いい状態で決勝レースを迎えられた。とにかく接触がないようにリスクを抑えて走ったけど、ホンダ勢の前に出られてよかった」(キャシディ)

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