ホンダのパワーユニット、衝撃の事実。スペック3は耐久性が低かった (2ページ目)
鈴鹿での失敗をもとに、さらに煮詰めたセットアップによってSTR13の空力性能を最大限に引き出したこともあるが、やはりこのシーズン終盤にきてのトロロッソ・ホンダのパフォーマンス向上には、ホンダのスペック3パワーユニット投入が大きく貢献していると言うべきだろう。
「鈴鹿でもすでにスペック3のパフォーマンスは発揮されていたけど、これだけのパフォーマンスを発揮できたのはとてもポジティブなことだと思うよ。ホンダはすごく開発をプッシュし続けているし、新スペックもうまく機能してくれている」
ただし、手放しで喜んでばかりもいられない。
第17戦・日本GPで使用したスペック3を検査した結果、とくにセットアップが不十分なまま走らなければならなかったガスリー車のICE(エンジン本体)に大きなダメージが見つかった。残り4戦を走り切れる状態ではなく、ハートレイ車のICEも対策が必要な状態であることが判明した。
そのため、第18戦・アメリカGPには耐久性を向上させたICEを用意しなければならず、2台揃って最後列グリッドからスタートすることになったのだ。
ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターはこう説明する。
「ICEに若干の変更を入れました。基本スペックは同じで、信頼性を向上させるために手を加えました。日本GPのレースで使ったのと、ベンチテストをしているなかで若干の懸念があった部分に手を入れた形です。レースでオシレーション(回転数のブレ)を避けるための使い方をした影響も含めて、それに起因するものです。ガスリーのほうは今後、レースで使いたくないくらいのダメージがありました」
こうしてアメリカGPには「スペック3改」とも言える対策品が持ち込まれ、実際の走行では「スペック2以前のようにスムーズになった」(ガスリー)とドライバーたちも好評価を与えた。
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