トロロッソでデビューして丸1年。ハートレイは来季シート確保へ正念場 (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文・撮影 text & photo by Yoneya Mineoki

「今回はHRD Sakura主体でやってきました。最初は(日本GP後にそのまま残って)トロロッソのエンジニアにも助けてもらいながらやりましたね。まだ最終確認を続けているような状況ですが、きちんと全体をもう一度見直して、モード(の中の一部)でどうこう対処ということではなく、根本から見直しをかけてちゃんと走れるように準備してきました」(ホンダ・田辺豊治テクニカルディレクター)

 ただし、日本GP後に見つかった問題に対処するため、ホンダはスペック3に対策を施差なければならず、アメリカGPには2台ともに対策品の新スペックを投入することになった。そのため。2台ともグリッド降格ペナルティで最後尾からのスタートが義務づけられる。

 残りわずかなチャンスで自分の実力を示さなければならないハートレイにとっては、決して楽な状況ではない。レッドブルもトロロッソもホンダもガスリーも、来季に向けたテストと割り切ることができるが、ハートレイにはそんなことを言っている余裕はない。

 それでも鈴鹿の予選のようにふたたび好走を見せれば、来季のシート確保へとまた一歩近づくかもしれない。まさに正念場のハートレイだが、レースに臨むアプローチは何も変わらないという。


「僕は来年の契約をレッドブルとの間で結んでいるので、僕としては目の前のレースに集中するだけだ。開幕から3戦後はチーム内で僕のポジションに疑問符がつくような状態だったし、正直言ってアスリートとしては馬鹿げた状況で理想的ではなかった。

 でも、僕はそれによって強くなれたし、今シーズンはずっとそのなかで戦ってきたんだ。目の前のレースで自分自身の能力を最大限に発揮すべく、全力を尽くすだけだよ」

 初めてとなる「2年目のサーキット」で、F1の波に揉まれて強くなったハートレイはどんな走りを見せてくれるのだろうか。

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