トロロッソでデビューして丸1年。ハートレイは来季シート確保へ正念場 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文・撮影 text & photo by Yoneya Mineoki

 でも、僕自身のペースや安定性はシーズンを経るごとにどんどんよくなっていった。ただ、それに反してシーズン中盤戦はチームが力を落としていて、ポイント獲得のチャンスがなかった。それが残念だね」

 日本GPでは自己最高の予選6位を獲得し、いよいよハートレイの番かと思われたところで、決勝は大きくつまずいてしまった。

 チームはレース後のデータ解析を行なった結果、マシンセットアップが空力偏重で予選に偏りすぎていたと分析している。高速コーナーを速く走るためのセットアップは、予選で速さを見せた反面、決勝ではタイヤに厳しいマシンにしてしまったのだ。

「僕らは高速コーナーが多い鈴鹿に対して、セットアップの方向性を少し変えたんだ。鈴鹿は路面が比較的スムーズだということもあった。それがタイヤマネージメントに影響を及ぼしてしまったんだ。

 僕もピエール(・ガスリー)もタイヤ温度を正しいウインドウに収めることができなくて、タイヤを長く保たせることができなかった。空力性能を追い求めたがゆえに、決勝でのタイヤマネージメントを苦しくしてしまった」

 その点はしっかりとデータを分析し、対策を施してアメリカGPの週末に臨んでいる。

 さらにフロントウイングやフロアなど、待望のアップグレードが完成して持ち込まれた。ただし1セットしか完成しておらず、この新パーツはピエール・ガスリー車に搭載されてデータ収集と確認作業が進められる。テストドライバーのショーン・ゲラエルがフリー走行に出走することになっており、サーキット・オブ・ジ・アメリカズ未経験のガスリーではなく、2年目のハートレイのほうが1セッションを譲ることになっているからだ。

 日本GPでは大きな進歩を見せたホンダのスペック3パワーユニットだが、この1週間でデータ分析とベンチテストでのさらなるセットアップ熟成が進められ、オースティンではさらにパワーが増す見込みだ。

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