2018.10.11

徹底検証。トロロッソ・ホンダは
なぜ日本GP決勝で沈んだのか

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 フォースインディアの松崎淳エンジニアは、鈴鹿ではタイヤのデグラデーション(性能低下)が大きいためにトラフィック勢とのペース差は大きく、コース上での追い抜きも可能と見て早々にピットインしたと証言する。しかしトロロッソ・ホンダは、その自信がなかった。フォースインディアとトロロッソ・ホンダでは、コース上での追い抜きに対する自信が違ったのだ。そのせいで、フォースインディアの片方どころか、両方にピットストップで逆転されてしまった。

「終わってからあれこれ言うのは簡単だけど、ピエールはもう少し早めにピットインすべきだった。ただしフォースインディアは、マシン自体が我々よりも速かった。だから、我々としては為す術(すべ)がなかったし、仕方のないことだ」(エドルス)

 スペック3の威力がもっとしっかりと確認できていれば、「ストレートが遅く抜けない」というSTR13に対する既成概念に囚(とら)われることなく、勇気を持って早めにピットインできていたのかもしれない。それも、フリー走行で十分に走り込むことができなかった影響だ。

 そしてもうひとつの失策が、第2スティントのタイヤマネジメントだった。

 金曜フリー走行より10度も高くなった路面温度に対し、どのチームもブリスター(※)の発生を懸念し、リアタイヤのスライド量や温度に細心の注意を払いながらレースを進め、なんとかブリスターの発生を抑えていた。

※ブリスター=タイヤの温度が上昇し、タイヤ表面が膨れ上がったり気泡ができること。

 しかし、トロロッソ・ホンダの2台はまだ20周も残っている段階からリアタイヤにブリスターが発生し、トレッド面に段差ができてバイブレーションが生じる状態になってしまった。

 それでも、ガスリーはザウバーを抜いて10位を走っていた。しかし、終盤はラップタイムが大幅に低下し、ルノーに抜かれて11位に落ちてしまった。