トロロッソ・ホンダ、鈴鹿で悲喜こもごも。予選はもっと上に行けたはず (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 もし、ガスリーが十分に予選に向けて準備できており、STR13のマシンパッケージが持つポテンシャルをフルに発揮できていれば、5番グリッドを獲得することもできたかもしれない。常にハートレイよりも0.2~0.3秒は速く走るガスリーの腕を評して、チーム内からもそんな声が聞こえてきた。

 ホンダは予選後にさらなるセッティング変更を進め、信頼性確保を理由にFIA(国際自動車連盟)にデータの書き換えを申請した。ただ、一度は認められたものの、決勝直前のグリッドに向かう走行を終えた段階でFIAがデータをチェックし、その申請は取り消されることになった。

 本来、予選後のマシン変更は認められていない。信頼性確保のためのメンテナンスパーツ交換のみ、その変更はFIAの承認のもとで認められるが、予選を走ったのと異なるスペックにする場合は、いかなる状況でもピットレーンスタートとなる。信頼性のためとはいえ、今回のホンダのセットアップ変更もパフォーマンスの向上につながる以上は認められない、というのがFIAのスタンスだった。

 難所の鈴鹿で好走を見せ、予選では6位・7位というトロロッソ・ホンダ過去最高の結果を手に入れた。だが、フリー走行をスムーズに走ることができなかったしわ寄せは、じわじわと彼らを追い詰め始めていた。

(後編に続く)

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