トロロッソ・ホンダ、鈴鹿で悲喜こもごも。予選はもっと上に行けたはず (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 先週スペック3を投入したときは、ドライバビリティに関して少し後退していた。アップシフトもよくなかった。それを1週間で直すのは、大変なことだったはずだよ。ミルトンキーンズとHRD Sakuraでダイナモで走らせてセッティングしてきた努力が実を結んだんだ」

 一方でガスリーは、パワーユニットに少し苦労させられた。

 金曜午後のフリー走行2回目で燃料タンクに問題が起き、タンク内のパーツ交換で約1時間をロスしてしまった。

「フリー走行2回目に向けて最後のエンジンかけをしようとしたとき、『あれ?』ということになって、燃圧が出なくて燃料がエンジンに送られてこない状態でした。そこから急遽作業に入ったんですが、燃料システムにトラブルが出てしまい、原因となった部品が燃料セルのなかにあったので、その交換にちょっと時間がかかってしまいました。2時間かかる作業なので通常よりは早く終わったんですが、セッションはかなりロスしてしまいました」(ホンダ・田辺豊治テクニカルディレクター)

 エドルスによれば、燃料タンク内のパーツ交換は本来ならばフロアを外し、モノコック下にあるERS(エネルギー回生システム)のバッテリーも取り外して下側から燃料タンクにアクセスするので、作業は2時間以上かかる。そうなればフリー走行は絶望的となるため、燃料タンクの小さな給油口側からメカニックが腕を突っ込み、ライトを当てながら手探りでパーツ交換を行なった。それによって、なんとか最後の15分間に間に合わせることができたのだ。

 それでも、このタイムロスによってガスリーのパワーユニットのセッティングが十分に進められなかったことも事実だった。

「本当なら5位には入れたはずだ。アップシフト時にオシレーションがあって、パワーが低い状態だったんだ。逆にそれが改善すれば、さらにパフォーマンスを向上させることができるとも言えるけどね。

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