室屋義秀が乗り越えようとしている、「エアレース王者」のプレッシャー (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

 シーズン4勝を挙げ、年間総合優勝を遂げた昨季の反動が出たかのように、今季の室屋は一度も優勝がないばかりか、0ポイント(11位以下)に終わったレースが3戦もある。目に見える結果だけで言えば、その凋落ぶりたるや甚だしい。

 しかしながら、「技術研究は進んでいるし、今回投入したウイングレットの開発をはじめ、バックグラウンドではいろんなことが順調に進んでいる」と室屋。だからこそ、「あとはパイロットのコンディションを高いレベルで整え、全体の流れを作っていくか。そこがカギになる」と語る。

 前回の第6戦で2位となり、5戦ぶりの表彰台に立ったことで、ようやく悪い流れを断ち切ったかに見えたのもつかの間、第7戦では再び、12位に後退。恐らく、この先もしばらく、こうした一進一退が続くのだろう。強い室屋の完全復活は、もう少し時間がかかりそうだ。

 今はそのときを待つしかない。

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