マルケス今季6勝目にライバルも白旗。タイトル決定は最短なら日本GP (2ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 昨年までは苦戦傾向が続いたこのアラゴンで、最後まで僅差で優勝を争ったことに意義がある、ともドヴィツィオーゾは述べた。

「(地元優勝を達成した前戦の)ミザノも重要な一戦だったけど、自分たちの改善点をしっかり確認できたので、むしろ今回の結果のほうが重要。この改善が今後に向けて生きてくる」

 マルケスが優勝して25点を獲得し、2位のドヴィツィオーゾが20点でさらに5ポイント開いたことにより、ふたりのポイント差は72点になった。

 逆転チャンピオンの可能性については、「マルクを相手に、5戦で72ポイントを取り返すのは無理」と、むしろさばさばした表情で述べた。

「唯一可能性があるとすれば、彼がレースを走らないことだけど、たとえそうであったとしても逆転は難しいよ。計算上は可能だし、レースでは何があっても不思議ではないとはいえ、それでもまあ、不可能だね」

 一方のマルケスはといえば、まだ気を緩めるには時期尚早と、ドヴィツィオーゾとは対照的に引き締まった表情で話した。

「まだシーズンは終わっていないから、チャンピオンシップで抜かれてしまう可能性はある。2014年はミザノやここでタイトルのことを考えるあまり、攻めすぎて転んでしまい、タイトル獲得の難易度を高めてしまった。メカニカルな面でも人為的な面でもミスはありえるし、コース状況や天候、ケガなど不確定要素もある。だから、今後も集中してがんばりたい」

 とはいえ、次戦のタイGPでチャンピオンに王手をかけるのはほぼ間違いないだろう。そして、最短の可能性では、マルケスは第16戦の日本GPで3年連続5度目の最高峰王座を獲得することになる。

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