トロロッソ、得意コースで大失速。
最大のチャンスが一転して惨敗の謎

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 バーレーンのように予想がいい方向に大きく外れることもあれば、シンガポールのように悪い方向に大きく外れることもある。それが今季、これまで見てきたトロロッソだ。レースとテストを重ねるごとによくなってきたが、まだこうした隙はある。

 2006年から参戦してきたトロロッソとはいえ、今年初めてワークス体制で新たな出発を切っただけに、まだまだチームとして学ばなければならないことはたくさんある。田辺テクニカルディレクターは言う。

「アップダウンが激しいなかから学んでいくしかありません。今まで低速コースでよかったから今年もいいだろう、何とかなるでしょという楽観的な考え方ではダメだし、高速コースが絶対不得意ということでもない。どんなレースでも簡単ではないということです」

 チームはコンストラクターズランキング8位確保を目標に、すでにリソースを2019年型マシン開発にシフトさせている。ザウバーとの9ポイント差はなんとか抑え切れるだろうという目論見だ。

 しかし、3戦連続入賞で緩みかけた兜(かぶと)の緒を、もう一度引き締めなければならない。実りある未来につなげられるのだとしたら、シンガポールGPの惨敗も無駄にはならないはずだ。

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