2018.09.18

奇跡はならずも室屋義秀は笑顔。
エアレース第6戦で泥沼から抜け出す

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

久しぶりに笑顔が多かった室屋 photo by Balazs Gardi/Red Bull Content Pool

 連覇はならずも、室屋は落胆の色を見せるどころか、今季開幕戦以来となる表彰台を純粋に喜び、話し続ける。

「もちろん、(トータルで3ポイント獲得にとどまった)前の3戦が悔やまれるが、悔やんだってポイントは返ってこない。過去に(年間総合で)連覇できたのは、ポール・ボノムだけ。これがチャンピオンになった者にしか分からない苦しみなのかもしれないけど、長い目で見れば、今年のうちに、この泥沼感から抜け出せたのは結構大きなことだと思う」

 そして、大きくひとつ息を吐き、ニッコリと笑って言った。

「まだギリギリで(年間総合の)表彰台の可能性は残っているし、来年もある。ここからまた、1本ずつ丁寧にやっていくしかないでしょう」

 奇跡は起きなかった。今季唯一にして最大の目標を成し遂げることはできなかった。

 だが、しつこく絡みつく負の連鎖をようやく断ち切り、一歩前に進むことができた”前世界チャンピオン”は、終始笑顔だった。

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