ライコネンが鈴鹿で驚異の16台抜き。ファイナルラップで奇跡の逆転劇 (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 テールとノーズが、そしてタイヤとタイヤが触れ合うか合わないかというギリギリのバトルを繰り広げ、フェアに戦い抜いた両ドライバーともがすばらしかった。だが、マクラーレンの速さと戦略のほうが一枚上手で、ライコネンのアグレッシブな走りが最後にして最大の仕上げを施した。それが2005年日本GPのファイナルラップ――奇跡の逆転劇だった。

 ライコネンは抜きにくい鈴鹿で16台抜きという驚異的なレースを演じ、鈴鹿史上でもっとも劇的な優勝を挙げてみせた。選手権ではルノーとアロンソに敗れはしたものの、「真の最速は自分たちだ」という自負とプライド――。想像をはるかに超える速さでそれを演じて現実のものとしたライコネンに、詰めかけた大観衆はまさしく人智を超えた光景を目にし、鈴鹿は心を震わせる大興奮に包まれたのだった。

(つづく)

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