2018.09.01

イタリア国内で人気回復。
フェラーリは2010年以来の地元Vなるか

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 でも、将来に向けた立て直しという意味では、2016年はとても重要な意味を持っていたんだ。2017年にレギュレーションが変わり、それがチーム再構築の効果を発揮する機会になった。それ以来、僕たちは大きく前進することができたんだ」(ベッテル)

 そのチーム再構築を指揮したのは、親会社フィアット会長のセルジオ・マルキオンネだった。

 テクニカルディレクターをはじめ技術部門を徹底的に再構築し、チームが目指すべき指針を明確に定め、それをシンプルに目指し、実現できる組織に改めてきた。マシンが不作だった2016年を早々に捨て、2017年のレギュレーション大幅改正に向けて専念することができたのも、彼が大ナタを振るってきたからだ。

「僕たちにはすばらしいクルマがある。そのことはわかっている。しかし、これは僕たちが賢明な努力の末に手に入れたものであって、そこに胡座(あぐら)をかいているわけにはいかない。ここから、さらに努力を続けなければならないんだ。

 僕たちのマシンがものすごく優れているサーキットもあれば、ほんのわずかな(差の)サーキットもあり、そうでもないサーキットもある。だから、マラネロの開発陣もサーキット現場のエンジニア部隊もキミ(・ライコネン)も僕も、チーム全員がすべてをひとつにまとめ上げて、最大限の結果を掴み取らなければならない」(ベッテル)

 ベッテルがモンツァでも慎重な姿勢を見せたのは、チームが一丸となって、わずかな綻(ほころ)びも見せることなく戦わなければ勝てないという危機感を持っているからだ。シーズン前半戦に何度も戦略ミスや不運、トラブルでチャンスを失ったことを考えれば、それも当然だ。

 スパ・フランコルシャンでの車速を分析すれば、フェラーリはストレートが速いものの、メルセデスAMGもほぼ同等の最高速を記録している。しかしフェラーリが強いのは、ストレートエンドでディプロイメントが切れるのが遅く、減速が少ないことだ。