2018.08.21

原付で時速200キロ超。日本の
「ものづくり技術」が世界記録に挑む

  • text & photo by Sportiva

 しかし、挑戦は時間との戦いでもあった。例えば、今年の競技会に参戦するマシンを製作した神戸の「キタガワモーターサイクルズ」。ここに近兼からマシンの製作依頼が来たのはなんと今年の4月。ベース車両とエンジンは用意されていたものの、ランドスピードレーサーはロードレーサーとはまったく異なるマシンだ。アメリカ行きの船に積み込むのが7月初旬と言われ、代表の北川泰之さんは「えっ? 今年のですか」と思わず聞き返してしまった。

 このムチャなスケジュールにもかかわらず、ボンネビル用マシンを製作した経験を持つシウン クラフトワークス代表・松村友章さんの3D解析によるカウリング製作、日本屈指の旋盤職人であるヒューテックの藤原多喜夫さんによる高精度チタンパーツ製作など、熟練した職人たちのサポートもあって、マシンは完成した。結局、時期は8月までずれ込み、船便ではなく高額な空輸となってしまったが、スペシャリストたちの昼夜を徹した作業がなければ、絶対に間に合わなかっただろう。

地元関西のラジオ局の取材を受ける近兼拓史。56歳のチャレンジは成功するか?地元関西のラジオ局の取材を受ける近兼拓史。56歳のチャレンジは成功するか?