ホンダVSシボレー。インディ、今年のマニュファクチャラー王者は? (3ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 その後、テキサスではディクソンが今季2勝目。アイオワではジェームズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)が優勝。そして、トロントではディクソンがシーズン3勝目をマークした。

 ホンダ勢はここまでストリートで4勝と強さを見せ、高速オーバルのテキサス、短いオーバルのアイオワでも優勝。そして今回のミッドオハイオで常設ロードコースでの今季初勝利を記録した。

 これに対してシボレー勢は、2016年以来となるインディ500での栄冠獲得に成功。バーバー、インディアナポリスのロードコース、ロードアメリカと、常設ロードコースで強さを発揮して3回の優勝を果たし、さらに1マイルオーバルのフェニックスで優勝している。

 これで今年のマニュファクチャラータイトルは、ホンダが制する可能性が高まってきた。シボレーはパワーアップを実現した分、信頼性が下がっており、パワーとシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)はすでに5基目を使用している。1シーズンを4基で戦い抜くのがルールだから、マニュファクチャラーポイントをスコアする資格がなくなっているのだ。一方のホンダユーザーにはまだ5基目を使っているドライバーはいない。

 シボレーが2012年に復帰して以来、ホンダは一度もマニュファクチャラータイトルを獲得したことがない。ホンダにとってはインディ500優勝が最優先の目標で、次がドライバー部門のチャンピオン。そしてマニュファクチャラー王者、というプライオリティで戦ってきたからだ。

 その結果、2017年までの6シーズンでホンダは4回のインディ500優勝を達成した。今年はシボレーが復帰以来3回目のインディ500優勝を果たしたが、逆に、獲り続けてきたマニュファクチャラータイトルを手放す可能性が高まってきた。

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