ホンダVSシボレー。インディ、今年のマニュファクチャラー王者は? (2ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 ミッドオハイオでのウィッケンズは、当初から3ストップ作戦でいくことを決めており、1回目のピットストップを終えるとトップに躍り出た。さらにリードをどんどん広げて2回目のピットストップに。ところが、佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)やトニー・カナーン(AJ・フォイト・レーシング)の後ろにピットアウトすると、彼らを抜くことができずに大幅にタイムロス。タイミングも悪かったが、ハード・コンパウンドのブラックタイヤ用のマシンセットアップの完成度が低かったため、ペースの遅いライバルたちに行く手を阻まれ、ロッシとの終盤の一騎打ちを実現できなかった。

 3位はウィル・パワー(チーム・ペンスキー)。予選は2位だったが、今回はまったく優勝争いに絡めなかった。これにより、ロッシ、ウィッケンズのホンダ勢による1-2フィニッシュが、ホンダにとって第2のホームコースであるミッドオハイオで達成された。

 2週前のホンダ・インディ・トロントでもスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)が優勝。ホンダがタイトルスポンサーとなるレースでホンダエンジンユーザーは2連勝を飾った。ちなみにロッシは今年のロング・ビーチ・ウィナーでもある。彼はホンダのホームレースふたつを同じシーズンに両方制することとなった。

 これでホンダ勢の今シーズンの勝利数は8になった。

 開幕戦のセント・ピーターズバーグでは、セバスチャン・ブルデー(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン)が勝っただけでなく、ホンダ勢がトップ6を独占。ロングビーチは前述の通りロッシが優勝を果たした。

 シボレーがタイトルスポンサーのデトロイトは、レース1ではディクソンが勝ち、このときもホンダがトップ6を独占。さらにレース2はライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)が優勝と、敵地のレースで連覇して両方を制覇し、第4戦ホンダ・グランプリ・オブ・アラバマで敗れたリベンジを果たした。

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