6位なのにガスリーはショック。トロロッソに課せられた夏休みの宿題 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 予選のウェットコンディションでは、ホンダのドライバビリティのよさが生きたとドライバーたちは語った。しかし、それはメルセデスAMGやフェラーリが当たり前のように実現しているレベルであり、特別大きな武器になったというわけではない。6位とはいえ、ポールポジションのルイス・ハミルトンとは1.933秒の差があり、ルノーのカルロス・サインツ(5位)にも0.848秒差をつけられていた。

 だから、ウェットコンディションの予選では走行タイミングのよさもあって2台揃ってQ3に進出し、6位・8位という好結果を手にしたとはいえ、ドライコンディションの決勝では後ろから追いかけてくるハース勢やルノーのもう1台を抑えることも簡単ではないだろう、という見方をしていた。

 それが、フタを開けてみれば予想を大きく上回るパフォーマンスを発揮し、ハースを引き離して危なげなく6位でフィニッシュした。そのことに、ガスリーはショックを受けたと言ったのだ。

「普段はとても難しいけど、今週末は(マシンとタイヤの)スイートスポットに合わせ込むことができたんだ。だからマシンバランスがよくて、タイヤを長く保たせることができた。僕自身もできるかぎりスムーズにステアリングを切って、スムーズにドライビングすることを心がけたけど。

(タイヤを長く保たせるには)マシンバランスもその要件のひとつで、マシンバランスがよくて、安定感があって、スナップオーバーステアが出ないようなマシンでなければならない。今日のマシンバランスはバーレーンのときを少し思い出させるようなところがあって、すごく気持ちよく走ることができたし、アタックしてもタイヤの前後ともそんなに失わない状態だった」

 ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターは、マシンの仕上がりについてこう説明する。

「今週末は金曜からずっとマシンバランスがよくて、今日もグリッドにいくときからバランスがいい状態で、レース中もよかったですね。予測できないようなクルマの動きや、コーナリング中のマシンバランスの変化もなかったので、非常に安定した走りができていました」

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