2018.07.31

鈴鹿8耐は今年もヤマハが強かった。
予選1位のカワサキ、悲願叶わず

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 このような流れは十分に予測できたことでもあったので、土曜の午後、ロウズとファン・デル・マークに、ライバルのレイが発揮していたスピードへの印象や日曜のレースへの備えについて話を訊いてみた。

「僕たちが8耐で勝った過去2年はドライだったから、たしかに雨のレース経験はないけど、僕もマイケルもSBKではウェットコンディションで力強く走れている。それに僕はイギリス人だから、雨は慣れっこだよ」と、ロウズは冗談まじりで不安のなさを強調し、「ジョニー(・レイ)はSBKのチャンピオンだから、彼の速さは普段からよく知っている。でも、8耐の決勝を2分5秒台で走ったら、タイヤにも燃費にも大きく影響するだろうね」と話した。

 それを受けたファン・デル・マークも、「僕もオランダ人だから、雨は日常茶飯事だよ」と笑いながら、「雨になるとレースのマネージメントが難しくなるけど、条件は皆同じ。それに、2014年は決勝直前にすごい雨が降って、たしか8耐が6耐になったよね(決勝直前に豪雨になり、12時35分にスタートが順延されたことを指している。この年、ファン・デル・マークはホンダ陣営で参戦して優勝している)」と、不安定なコンディションでの走行を経験している自信ものぞかせた。

 ただし、彼らには別の不安要因があった。エースライダーの中須賀が土曜午前の走行で転倒した際に肩を痛め、日曜の決勝を走らないことがほぼ確実視されていたのだ。

 結局、中須賀が務める予定だったスタートライダーはファン・デル・マークが受け持つことになったが、中須賀を欠いた状態でもふたりは最後までまったく危なげなく走りきり、199周を終えてトップでチェッカーフラッグを受けた。

 ところで、鈴鹿8耐はMotoGPやSBKと同様に、世界中のファンから大きな注目を集めるレースイベントであるため、毎年、ワールドレベルの選手たちの参戦が話題になる。だが、特に近年ではMotoGPのトップライダーたちは、サマーホリデーの期間が事実上なくなることや負傷の危険性が増えるなどの理由から、8耐に参戦したがらない場合が多い。