トロロッソ10位入賞。ハートレイはプチ喜びもガスリーの不安はでかい (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 また、パワーユニット面でも状況は芳しくない。メルセデスAMGやフェラーリは今季1基目を運用して使用後にコンポーネントを分解・分析したのち、2基目からはICE(内燃機関エンジン)の燃焼やMGU-H(※)を介した発電・回生などでさらに攻めた運用を施し、それを予選で採り入れてパワーアップさせている。それに対してホンダは、まだ手をこまねいている状態だ。

※MGU-H=Motor Generator Unit-Heatの略。排気ガスから熱エネルギーを回生する装置。

 マシンパッケージの開発が停滞しているなかでセットアップが決まらず、そのポテンシャルさえもフルに引き出せないとなれば、大接戦の中団グループのなかで下位に低迷してしまうのは当然だ。ドイツGP決勝でも雨が降り出すまでは、トロロッソ・ホンダにポイント獲得のチャンスはなかった。

 次のハンガリーGPが行なわれるハンガロリンクは曲がりくねった中低速サーキットであり、トロロッソ・ホンダのマシンに合っているといえる。しかし現状を考えると、それは「トロロッソ・ホンダに有利」というよりも、「不利が小さい」という表現をとるべきなのかもしれない。

 ガスリーもそれを心配している。

「ブダペストではこれまで以上にチャンスはあると思う。だけど、現時点で僕らのマシンパッケージは、思っていたとおりのパフォーマンスを獲得できていない。車体はシーズン序盤からほとんど変わっていないんだ。(オーストリアGPで投入した)アップグレードをうまく機能させるにはどうしたらいいのか、もっとしっかりと分析を進める必要があるよ」

 トロロッソ・ホンダに渦巻く停滞感を、シーズン前半戦最後のハンガリーでなんとか払拭したいところだ。

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