トロロッソ10位入賞。ハートレイはプチ喜びもガスリーの不安はでかい (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

トロロッソのマシンはホッケンハイムのコースに苦しんだトロロッソのマシンはホッケンハイムのコースに苦しんだ もちろん、望んでそうなっているわけではないが、今のSTR13にとっては最良の妥協点がそこになってしまっているということだ。

 パワー不足が相対的なパフォーマンス差にどのくらい影響を及ぼしたのか――。ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターに問うと、パワー不足を吟味できる状態になかった、という答えが返ってきた。

「それは(判断が)難しいですね......。予選の(各コーナーの)対他比較でいえば、パワーリミテッドというよりもグリップリミテッドでのロスがかなりありました。上海もそうでしたが、このクルマはコーナーのコンビネーション、切り返しがあるようなところは弱いみたいですね。フロントの入りが悪いと次の立ち上がりでリアに影響してしまって、というようなことですね」

 ガスリーがマシンのグリップ不足に不満を訴える一方で、ハートレイからはあまりそう言った声は出てこない。決勝のロングランにおいてはほとんど差がない両者だが、予選というマシンの限界を引き出す場面では、それだけガスリーのほうが限界ギリギリの領域で走っているということなのだろう。その限界点が高くなればその分だけ、ガスリーのほうが速く走れ、限界点が低ければ両者のタイム差はほとんどなくなる。今回のドイツGPがまさにそうだったというわけだ。

 下位に沈んだとはいえ、9位のシャルル・ルクレール(ザウバー)から17位のガスリーまでが0.7秒にひしめく中団グループのなかで、Q2突破までは0.04秒差。Q1で0.1秒差だったフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)が予選11位に入るなど、見た目の順位ほどタイム差は大きくはない。

 そんななかで、3戦前のオーストリアGPで投入した新型フロントウイングをまだ使いこなせていないのは痛い。金曜のフリー走行では、新旧ウイングと新旧ノーズをそれぞれ組み合わせて4通りの比較データ収集を行なうなど、依然として迷走を続けている。

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