ドイツの女神はマルケスが大好き。9年連続ポールトゥウィンの大偉業 (3ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 ところで今回は、マルケスの最高峰クラス99戦目のレースだった。この99戦目段階でのマルケスの成績は、40勝・70表彰台(2位:21回、3位:9回)・48ポールポジションというすさまじい高水準の内容だ。

 ちなみに、ロッシの最高峰クラス99戦目段階での成績も調べてみた。

 500cc時代の2000年南アフリカGPデビュー戦から2006年第2戦のカタールGPまで、全99レースで彼の残した成績は、54勝・82表彰台(2位:18回、3位:10回)・30ポールポジションと、こちらも驚くほどのレベルの高さだ。勝利数や表彰台獲得総数は、マルケスよりもロッシのほうがそれぞれ一割程度多いが、これは両選手の能力差を有意に示す数字というよりも、このレベルに至ればその差はむしろ「誤差の範囲内」のようなもので、ともに卓越した能力を数字で示す統計的な証拠、という程度の意味でしかない。

 また、ひとつ注意しておかなければならないのは、ロッシが最高峰クラス99戦でこの常軌を逸した実績を残したときには、マルケスはまだ競技に加わっていなかった、ということだ。しかし、マルケスがこの数字を達成してきた背景には、いつもバレンティーノ・ロッシとの激しい戦いがあった。そして、マルケスが今のロッシの年齢になってもあれだけのハイレベルで戦えているどうか、ということを知るためには、2032年を待たなければならない。

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