佐藤琢磨、やっと今季初の表彰台。チームの作戦が足を引っ張り気味... (3ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 ヒンチクリフは最後のピットストップでマシンを再調整、スタート直後と同じ好感触を取り戻す。対するニューガーデンには前半のスピードがない。勢いは明らかにヒンチクリフの側にあり、ゴールまで残り50周を切ってから、ニューガーデンをパス。トップに立つと、そこからは差を大きく広げ、今シーズン初勝利を挙げた。キャリア6勝目、アイオワではこれが2勝目となる。

 ヒンチクリフといえば、今年のインディ500で予選落ちを喫したドライバーだ。だがチームとの信頼関係は変わらず、結束力を高め、2カ月後に優勝という見事な立ち直りを見せた。

「予選はマシンを滑らせてしまって順位がよくなかったが、マシン自体の仕上がりがいいことは確認できていて、最初のスティントではすばらしい速さを見せることができた。ただ、1回目のピットストップでの調整が大き過ぎて遅くなり、次のピットではセッティングを戻しすぎて、またもやスピードが乗り切らなかった。最後のピットでの調整で、マシンはぶっちぎりのスピードを手に入れた」(ヒンチクリフ)
 
 レースはゴールまで残り6周で、エド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)がスピン。琢磨と接触して破片が飛び散ったために、フルコースコーションとなった。

 残り1周でリスタートが切られるとみたニューガーデンとロバート・ウィッケンズ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)の陣営は、ドライバーをピットに呼び入れた。だが結局レースは再開されず、イエローフラッグとチェッカーフラッグが同時に振られることになった。

 これによりニューガーデンらは順位を下げ、おかげで4番手だったピゴットは2位、5番手を走行していた琢磨は3位でのゴールとなった。

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