2018.07.11

ガスリーの不機嫌が全開に。
3連戦の「宿題」をホンダは解決できるか

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 だが、実はメルセデスAMGもフェラーリも、今季2基目のパワーユニットはほとんど出力が伸びていない。

 中団トップの速さを誇るハースの小松礼雄(あやお)チーフエンジニアはこう語る。

「ここはもう、高速コースじゃないんですよ。予選ではコプスもマゴッツ~べケッツ~チャペルも最後の区間(のアプローチ)までは全開だし、高速コーナーはもうふたつしかないんです。ターン13(ベケッツ)とターン15(ストウ)だけです。

 逆にターン3~4とかターン16~17は低速コーナーだし、ターン6~7もそんなに速いわけじゃない。もう昔のような『シルバーストン=高速サーキット』という位置づけじゃないんです。去年からシルバーストンのイメージは全然違いますよ。逆にストレートラインのためにダウンフォースを削らなきゃならなくて、その状態で低速コーナーをちゃんと走れるクルマじゃなきゃいけないんです」

 それを証明するかのように、ハースは薄型のリアウイングを持ち込んで、これをきちんと機能させて速さを見せた。レッドブルは翼端板のスリットが2本しかないモンツァ仕様のリアウイングを使い、フロントウイングはフラップを極限まで削って空気抵抗の低減に勤(いそ)しんだ。それが、今のシルバーストンの走り方だ。

 そんななかでザウバーが速さを増したのは、「パワーのおかげではない」と小松チーフエンジニアは分析する。

「トロロッソがコーナーでザウバーより速いってことはないですよ。ザウバーはめちゃくちゃ速いですよ、コーナーもストレートも。暑いコンディションではタイヤがうまく機能させられて速い。(シャルル・)ルクレールがいいドライバーなのは事実だけど、(マーカス・)エリクソンだって速かったですからね。トロロッソなんかよりも全然いいクルマだと思いますよ」