ガスリーの不機嫌が全開に。3連戦の「宿題」をホンダは解決できるか (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 トロロッソのあるスタッフは、「あんな言い方をすると誤解を招く。もう少し言い方を考えたほうがいい」とガスリーにアドバイスし、ガスリー本人も「次はそうする」と言ったという。コーナーが快適なのにストレートが遅くタイムロスしているのは、コーナーで稼ぐためにダウンフォースをつけているためでもあるからだ。

 しかし、決勝でもストレートの遅さでセルジオ・ペレス(フォースインディア)をなかなか抜けず、最後は追い抜きを仕掛けてペナルティを受けてしまったガスリーは、改めてストレートが遅いと語った。それは不満をぶちまけるというよりは、ドライバーとして冷静に事実を語るという表情と声色だった。

「予選と同じように、決勝でもマシンの挙動はよかったよ。でも、僕らが失っているのはストレートだ。セルジオ(・ペレス)はストレートがすごく速くて、オーバーテイクチャンスのある場所では全然彼に近づくことができなかった。スリップストリームに入っていても、彼らには引き離されてしまった。まだまだストレートラインスピードはインプルーブ(改善)させる必要があるよ。コーナーではものすごくコンペティティブだし、いい感じなんだけどね」

 不思議なのは、第7戦・カナダGPでスペック2パワーユニットが投入された際、あれだけ賞賛していたガスリーが、なぜ急にホンダ批判に転じたのかということだ。

 カナダGPとイギリスGPでスペック2への評価が180度変わってしまったことを問うと、ガスリーはこう答えた。

「カナダでいい感じに見えたのは事実だよ。でも、ポール・リカール(第8戦・フランスGP)からライバルとのギャップはまた開いてしまった。スペック2のパフォーマンスをフルに引き出すためにどうすべきなのか、僕たちはもう少し理解を進める必要があると思う。コンディションによって違ってくるし、パフォーマンス全開で走り続けられないこともある。その一方でザウバーやハース、フォースインディアはこの間にエンジン側のパフォーマンスを増してきたので、ギャップが広がってしまったんだ」

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