バトン手痛いノーポイント。「未経験サーキット」攻略が王座獲得のカギ (3ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 シーズン前から「今年の課題」と語っていたGT300クラスとの混走や、フォーミュラカーとは違うGT500マシンの走らせ方など、今のバトンはどう感じているのか。前半戦4レースを終えたところで再度質問をぶつけてみると、かなり前向きな答えが返ってきた。

「だいたいのことは慣れたと思うし、自信を持ってマシンに乗れている部分もあるから問題はない。ただ、スーパーGTのマシンはメカニカルグリップが非常に強くて、タイヤのグリップ力も高いクルマだから、他のカテゴリーのマシンと比べても動きは非常に特殊だ。さらにウェイトハンデもあるので、そこに合わせたドライビングをしていかなければならない」

 たしかに走行経験のないコースでは、今回のようにバトンは決勝で苦戦する傾向がある。そう考えると、後半戦はスポーツランドSUGO(宮城県/第6戦)やオートポリス(大分県/第7戦)といった難易度の高いサーキットが控えているだけに、そこでの走りに注目したい。

 スーパーGTはふたりで1台のマシンをシェアしなければならないうえに、レースウィーク中の走行時間も非常に限られている。少ない走行時間のなかで、いかにコースを攻略していけるかが、後半戦のキーポイントとなりそうだ。

「今回のタイのコースは、短時間で学べる簡単なサーキットだった。ランオフエリアが広いから、攻め過ぎてしまったり、ミスを冒しても、コースオフして復帰することが可能だったから。でも、日本のSUGOや岡山、オートポリスなどは、ひとつのミスがすぐクラッシュにつながってしまう。

 それはチャレンジングな要素ではあるけれど、慎重にいかなければいけない部分でもある。だから、限界値を見極めるポイントが難しい。後半は経験のないサーキットもあるから、シミュレーターなどでしっかり練習して臨まないといけないね」

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