最適解はある。トロロッソ・ホンダが中団G最下層から脱出する方法 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

「レッドブルリンクでは僕らが望んだとおりの答えが見つけられなかったから、今週末のフリー走行では、かなり多岐にわたったテストをする予定だよ。今週は僕のマシンでかなりの空力テストを行なう予定で、ドライバーとしては楽しい走行ではないけど、新パッケージに対するもっとクリアな答えを見つけ出すために必要なことだからね。ここでもっと理解を深められればと思っているよ」(ガスリー)

 その一方で、シルバーストンはセットアップが難しいサーキットでもある。

 全開率が65%を超えるパワーサーキットである一方で、ダウンフォースをつけてコーナー優先のセットアップを施したほうが速く走ることができる。しかし、決勝でのバトルを考えれば、ライバルと同等レベルの最高速が稼げるように、ドラッグは削っておかなければならない。そのバランスを見出す作業が重要になってくる。

 ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターはこう語る。

「ここはけっこう低速コーナーがあるので、ラップタイムに振るならば、ダウンフォースをつけてコーナーで稼ぐほうが速いし、(ドラッグで最高速が伸びず)ストレートは遅くなりますけど、パワーセンシティビティは低くなるので、コーナーを速く走ったほうが得だという結論になるんですね。

 でも、そうすると、高速コーナーの後(のストレート)では抜けませんから、それは他チームが最高速をどのあたりにつけてくるかも含めて、バランスを見ながら決めていかないといけません。ダウンフォースをつければ速いけど、燃費は悪くなりますし、そのせいでバックオフしなければならない、最高速も遅い、というのでは最悪ですから。そこまでいかないように最適なバランスを探っていく必要がありますね」

 新空力パッケージに対する学習を進めながら、セットアップの最適なバランスも探っていかなければならない。

「僕たちは空力アップデートがきちんと機能するようにしなければならないし、それによって中団グループの真ん中へ戻れるようにしなければならない。それが今週末のカギだ」

 ガスリーがそう語るように、イギリスGPはトロロッソ・ホンダにとって重要な岐路になりそうだ。

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