小林可夢偉が3戦目で初優勝。元F1ドライバーは伊達じゃない! (3ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

「今シーズン、僕たちのクルマはフロントのグリップが不足していて、コーナーで曲がってくれない症状に悩まされていた。その問題が解決できないまま開幕戦を迎え、散々な結果になってしまった。

 でも、問題解消のために、チームがあきらめずにがんばってくれた。その結果、第2戦・富士では劇的にクルマの動きが変わり、その流れがこのタイでも生きた。まだ改善は必要だけど、シーズン前半で我々はものすごい進歩を遂げたと思う」

 さまざまな要素が絡み合うスーパーGTは、チームの総合力が問われるレースだ。ドライバー、チーム、そしてマシンが徐々に噛み合いだし、その影響が小林のスティントにも間違いなく追い風となったのだろう。優勝という結果を残せたことで、後半戦に向けてチームの士気もさらに上がったようだ。

 これでドライバーズランキングは、コバライネンが35ポイントでトップに浮上。チームランキングも44ポイントで首位に躍り出た。

 今後の後半戦に向けて、小林はこう意気込む。

「僕自身、満足のいく走りは正直まだできていないし、(スーパーGTは)特殊なクルマなので、時間とともに慣れていくしかない。もっとクルマをよくして、がんばるだけです」

 次回の第5戦・富士はウェイトハンデが70kgとなるため、決勝レースでの苦戦が予想される。だが、このタイの勝利で勢いに乗ったことで、コバライネン/小林組が後半戦のチャンピオン争いを面白くするキーマンなのは間違いないだろう。

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