F1ホンダ、ついに新パワーユニット投入。ストレートでブチかませ! (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 一部では20kW(約27馬力)や40馬力などという根拠のない数字もひとり歩きしているが、1回のアップデートで40馬力向上などというのは、かなり現実離れした数字だ。田辺テクニカルディレクターも「どこからそんな数字が出てきたんですかね......」と苦笑いする。

 しかし、ホンダ関係者によれば今回のICEでは燃焼コンセプトを変え、大きな出力アップを果たしたという。約40馬力に相当する30kWという数値も、それほど大袈裟ではないほど大きな進化だ。

 ちなみにカナダでは、パワーがラップタイムに及ぼす影響は10kWあたり0.2秒前後。今年は全開率が上がっているだけにその影響はやや大きくなっているかもしれない。予選では0.5秒以上のゲインになりそうだ。

 ブレンドン・ハートレイは、パワーユニットのアップデートに期待を寄せている。

「モナコで証明したように、僕らのクルマはメカニカル性能が優れている。バーレーンでは暑いコンディションでのタイヤマネージメントのよさを証明したし、パワーセンシティビティの高さにもかかわらずパワーユニットはいい働きをした。

 僕らが中国やアゼルバイジャンの決勝でかなり苦しんだのは、みんなも知ってのとおりだと思う。(パワーユニットの不利で)大きくタイムを失っていたのは事実だよ。特に決勝でね。ここもストレートが長いけど、アップデートのおかげで自信を持って臨めるようになることを願っている」

 一方、ピエール・ガスリーはあくまで慎重な姿勢を崩さない。過去にレッドブルがルノー製パワーユニットのアップデートで、期待どおりのタイムゲインを果たせなかったことを知っているからだ。

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