2018.06.01

佐藤琢磨もハマって追突ドカン。
今年のインディ500は乱気流地獄に

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 決勝日は朝から快晴。日中の最高気温は摂氏34度にまで上がった。102回目のインディ500は、最も暑いコンディションで争われる状態となった。気温が上がれば空気の密度が下がり、マシンを路面に押し付けるダウンフォースが減る。照りつける日差しで路面温度は50度以上にもなり、地面に近い部分の空気はさらに薄くなってインディカーのグリップを減少させる。

 難易度が上がったレースで、トップか2番手で走り続けるという目標を実践できたのは、ポールポジションからスタートしたカーペンターと、予選3位のパワーだった。予選2位だったパジェノーは、ピットストップでの遅れやタイヤからのバイブレーションなどで後退。カストロネベスもなかなかトップ3にまで食い込めない。

 酷暑のせいもあってオーバーテイクが少なく、レースは1列で走り続ける単調な展開になった。ここ数年は抜きつ抜かれつのレースが見られただけに、物足りなさが感じられたが、それでも200周という長いレースの中では、抜き方を見つけ出すドライバーが必ず出てくるものだ。

 今年の場合、その代表はアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)だった。2年前、ルーキーながら奇跡的な燃費走法で優勝した彼は、今やオーバルでもロードコースでもキレのある走りを見せるドライバーになっている。