2018.06.01

佐藤琢磨もハマって追突ドカン。
今年のインディ500は乱気流地獄に

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 となると、「シボレーが撤退をチラつかせてシリーズ主催者に圧力をかけたか、泣き落としたかのどちらかだろう」と勘ぐる人が出ても不思議はない。2012年のインディカー復帰以来、アメリカの自動車メーカーとして最も勝ちたいインディ500で2勝4敗と、ジャパニーズブランドのホンダに負け越しているだけに、そんな怪情報も飛び交った。もちろん、真偽のほどは定かではないが。

 シボレー軍団はエリオ・カストロネベス、ウィル・パワー、シモン・パジェノー、ジョセフ・ニューガーデンのチーム・ペンスキー4台だけでも強力だが、彼らだけではない。

 インディ500では毎年、エド・カーペンター・レーシングも速い。ただし、彼らが走らせる3台のなかで、優勝争いに絡むと考えられるのはオーナー兼ドライバーのエド・カーペンターだけだった。

 仕上げたマシンのよさから、チームメイト2人も予選で9番手までに入ったが、スペンサー・ピゴットはまだ若くオーバル経験が少ない。そして、全米が注目する女性ドライバー、ダニカ・パトリックもインディカーは7年ぶり。そもそも参戦目的は、成績よりもこれまで支えてくれたファンへの挨拶だった。

 今年のプラクティスでもうひとつ明らかになったのは、新エアロが集団走行でのドライビングをとても難しいものにしているということだ。1対1のバトルなら抜きつ抜かれつが可能だが、2台以上が前を走る状況では、乱気流によってマシンのグリップが昨年までと比べて大幅に低下し、不安定になってしまう。勝つためには、先頭集団を走るだけでなく、その中でもできる限り先頭に近いところ、はっきり言えばトップか2番手を走る必要があるということだ。