トロロッソは戦略で結果を出した。次はホンダが「パワー」を見せろ! (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

「なんとかQ3にいければいいや、というようなレベルのクルマではありませんでしたし、なんとかQ3に進んで10番手というよりも、もうちょっと上を狙っていたんです。『たら・れば』でいうと、セクタータイムの自己ベストを足して比較するといいところに行きますし、実際にはトラフィックなどでそこまでの計算は成り立たないとしても、もう少し上には行けたはずでした」(田辺テクニカルディレクター)

 これについてはガスリーも、「6番グリッドからスタートしていれば、確実に6位でフィニッシュする速さがあった」と認めており、バーレーンGP以来の中団トップに立ち、上位勢の状況によってはさらに上の順位も見えた展開だった(実際に5位のバルテリ・ボッタスはハイパーソフトに苦しみ、6位のオコンと4.845秒しか離れていなかった)。

 トロロッソはモナコGPでSTR13にバージボード(モノコック側面の整流板)とリアブレーキカバーのアップデートを施し、それほど大きな効果をもたらすものではないが、きちんと機能した。木曜のフリー走行ではガスリーが不満を訴えていたリアのスタビリティやマシンバランスも、データ分析に基づいて土曜の予選までにしっかりと仕上げることができた。

 そして、前戦のスペインGPまでの不振の原因となっていたタイヤの扱いについても、モナコという極めて特殊なサーキットではあるものの、前述のとおり他チームを上回る成果を見せることができた。パワーユニットもドライバビリティとエネルギーマネジメントを確実に仕上げることに成功。レース中のさまざまな状況に応じてプッシュしたりセーブしたりといったモードの変更では「2周だけモード11を使って」と指示するなど、ホンダ側エンジニアとトロロッソ側エンジニアの間での情報共有が頻繁かつスムーズに行なわれていた。

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