トロロッソは戦略で結果を出した。
次はホンダが「パワー」を見せろ!

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

抜きづらいモナコでトロロッソのレース戦略は見事にはまった抜きづらいモナコでトロロッソのレース戦略は見事にはまった「タイヤの使い方も含めたレース戦略がうまくいって、ガスリーもレース中にいろいろ考えながら走ったみたいで、いいレースができました。想定ではもうちょっと早くピットインする予定でしたが、レース展開とタイヤのデグラデーション(性能低下)を見ながら、いけるところまで長く引っ張ったほうが得だよね、という話は最初からしていました。

 レース序盤にみんなにつられてピットストップしてしまっていたら、おそらくポジションは上げられていなかったでしょう。チームとしてはあそこでステイアウトするのはかなり悩んだし、勇気のいる戦略だったと言っていましたが、レース展開のなかでガスリーのタイヤの保ちと戦略がうまくつながったと思います」

 トロロッソがこの戦略に賭けようと決めたのには、もうひとつ理由があった。それは、STR13のマシン性能が予選結果以上のものだという自信があったからだ。

 予選は10位に終わったが、6位のオコンまではたったの0.160秒差。しかも、このタイムはプールサイドシケイン出口のガードレールに接触し、縁石に乗り上げるというミスを犯してのもので、ガスリー本人も冷や汗をかくほどの状況だった。

「マックス(・フェルスタッペン)と同じようにターン15のイン側のウォールにヒットしてしまって、かなり危なかったよ。もう少し強くタッチしていたら、(フリー走行3回目の)マックスみたいにまっすぐクラッシュしていたと思う。なんとかコース上にとどめることはできたけど、かなりギリギリだった」

 実はトロロッソとしては、6位や7位グリッドにつけることを前提にQ3に進んでいた。Q3に進んでも10番グリッドになるくらいなら、ヒュルケンベルグがそうだったようにQ2で敗退して、11番グリッドからハイパーソフト以外の新品タイヤでスタートしたほうがレース戦略としては有利だったからだ。

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