トロロッソは戦略で結果を出した。次はホンダが「パワー」を見せろ! (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 下位カテゴリーでは、僕はタイヤマネージメントが上手なドライバーではなかった。だけど、GP2の2年目にピレリタイヤでそのコツを学んで、ドライビングスタイルを変えたり、レースのアプローチ方法を変えたりして、それがうまくいったんだ」

 ハイパーソフトで走り続けたガスリーは、37周目のピットストップまでに前のセルジオ・ペレス(フォースインディア)とカルロス・サインツ(ルノー)を逆転し、フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)の背後につけた。

 そして、一気に追い詰めたところでアロンソのマシンにギアボックストラブルが発生し、労せずして7位に上がった。さらにエステバン・オコン(フォースインディア)よりも速いペースでギャップを縮め、レース終盤には逆転を狙っていた。

 しかし、後方からはハイパーソフトに履き替えたルノーのニコ・ヒュルケンベルグとレッドブルのマックス・フェルスタッペンが驚異的な速さで追い上げてきて、三つ巴のテールトゥノーズの争いになった。

 16番グリッドから11位まで追い上げてきたブレンドン・ハートレイがブレーキトラブルのシャルル・ルクレール(ザウバー)に追突されてVSC(バーチャルセーフティカー)が導入されたことで、ガスリーはなお厳しい状況に追い込まれたかに見えた。だが、本人は至って冷静だった。

「VSCが出てタイヤの温度が下がってしまってからは、僕のスーパーソフトよりも彼らのハイパーソフトのほうが温まりが早いから心配はしたよ。でも、ここはモナコだからね。ちょっとコースの真ん中を走れば後ろのドライバーはどうすることもできない。ミスを犯さないことだけに集中して走って、それでOKだったよ!」

 チームの戦略とドライバーのドライビングが見事にマッチして手にした7位。ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターはこう振り返る。

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