バトン、早くもポイント首位に。レースで抜かれても好成績のわけは? (3ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 レース後のバトンは2位という結果に悔しさを見せたものの、一方でドライバーズランキングでトップに立ったことには素直に喜んだ。

「正直、今回は勝ちたいという思いが非常に強かった。開幕戦でもあと一歩だったし、今回もあと一歩だった。でも、これがレース。常に状況は変化する。そのなかで今回もしっかりポイントを獲得して、チャンピオンシップをリードすることができた。初めてのスーパーGTフル参戦でこんなにいい結果なのはハッピーだし、ナオキという心強いチームメイトがいてくれることもすごくラッキーだね」

 また、これまでの2戦で課題となっていたGT300クラスのマシンを追い抜く際のペースダウンも、この第3戦では比較的少なかった印象だ。よく知る鈴鹿が舞台だったことも味方したかもしれないが、このサーキットは比較的コース幅が狭く、クラス違いの車両が相手とはいえ、スムーズに追い抜いていくのは難しい。そのなかでも目立った遅れを見せなかったのは、バトンが着実にGTマシンの経験を積み上げている証拠だろう。

 ただ、まだ気になる点もある。それはここまで3戦を終えて、バトンが自身のスティントで他のマシンを抜いて順位を上げるシーンがないことだ。GT300クラスとの混走をうまく利用して、どうやってライバルたちの隙を突いていくか――。この技術が身につけば、今まで以上にレベルアップした走りが期待できるだろう。

 次回は唯一の海外戦、タイ・ブリーラムで6月30日~7月1日に第4戦が行なわれる。

「次のタイはまったく走ったことがないコースだけど、何も知らないからこそ、すぐにいろいろ学べると思うよ」

 初体験となるコースで、かつ走行時間の少ないなか、いかにコースを攻略できるか――。第4戦はバトンの適応能力も問われるレースとなりそうだ。

(つづく)

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