ホンダ苦戦のインディ500。
佐藤琢磨「連覇のセッティング」を探せ

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 アンドレッティ・オートスポート勢がファスト9にゼロだったことと、女性ドライバーでストックカーから戻ってきたダニカ・パトリック(エド・カーペンター・レーシング)がファスト9に入る予選7位だったのは驚きだった。

 レースでもシボレー勢、中でもペンスキーの4人は速いだろう。プラクティス初日からレースを想定した走行を、チームメイト同士で集団を作って繰り返していたからだ。優勝候補の最右翼はインディ500で3勝、2位も3回という実績を誇るエリオ・カストロネベスだ。史上最多に並ぶ4勝目達成に燃える彼はモチベーションもひと際高い。ウィル・パワー、シモン・パジェノー、ジョセフ・ニューガーデンの3人は初のインディ500優勝を目指す。

 エド・カーペンター・レーシングの3人のなかでは、ポールポジションを獲得したチームオーナー兼ドライバーのエド・カーペンターが優勝候補。彼は今やオーバルレースだけにしか出場せず、ストリート、ロードコースは若手にチャンスを与えている。それでも、インディアナポリスモータースピードウェイのオーナー家族の一員でもあるカーペンターが抱くインディ500優勝への想いは並々ならぬものがある。

パトリックは過去7回インディ500に出場し、トップ10入りが6回、ベストは3位と、インディ500との相性がいいことは間違いない。しかし、7年間のブランクもあり、優勝争いまでは難しいだろう。

 ホンダ勢ではやはりブルデーとディクソンに注目したい。予選を上位で通過した2人のベテランが粘り強い戦いぶりで優勝争いに食らいついていくはずだ。

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