悔しいぞ、トロロッソ・ホンダ。
弱点を改善、マシンは最高だったが...

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 これを受けて、このスペインGPからは木曜日にホンダとトロロッソの間で『エネルギーマネジメントミーティング』を開くようにし、両者の関係はさらに強化された。実際にスペインGPの決勝中も、ハートレイはその知識を活用してエネルギーマネジメントを向上させていたという。

 この点においても、トロロッソとホンダは一歩前進することができたと言える。ただし大きな一歩については、ハードウェアのアップデートを待たなければならない。ホンダは目下、6月上旬のカナダGPもしくは下旬のフランスGP投入を目指して開発を続けているようだ。だが、それまでは現状で持っているものをいかに使うかで勝負するしかないのが現状だ。

 ただ、あらゆるコーナーがあってマシンの実力が問われるこのバルセロナできちんと仕上げることができ、トロロッソはマシンの理解という点では5戦目にして大きな一歩を前に踏み出すことができた。そして、パワーユニットの使い方でも前進することができた。トップとの差はまだまだ大きいが、中団グループから一歩ずつ確実に前へと進んでいくことこそが、今のトロロッソ・ホンダには求められている。

「バーレーンでよかったのはサーキット特性なのか、環境条件なのか。メルボルンや上海で悪かったのは、なぜなのか。悪かった部分から学んで成長し、悪かった部分を潰して臨んだこのスペインGPでそれなりの改善結果が見られたことは、この他のサーキットでも機能すると考えています。それが見えてきたのは、いろいろな意味でこの先につながっていくと思います」(田辺テクニカルディレクター)

 結果というかたちで目撃することはできなかったが、トロロッソ・ホンダは決して小さくない新たな一歩を前に踏み出した。それが、このスペインGPだった。

◆レッドブル供給の布石か? ホンダの新モーターホームが2倍の充実度>>>

◆飛び交う噂の真相は? ホンダとマクラーレンが決別したホントの理由>>>

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る