直線が遅いぞ、トロロッソ・ホンダ。
大至急「エネマネ」をやり直せ!

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 チームとしてはQ1で1分43秒9は十分記録できる速さがあったと分析しており、これならウイリアムズとマクラーレンの前で12位だった。

 中団グループの真ん中で争う力はあった。しかし、マシンのセットアップはまだ万全とは言えなかった。

「ルノーやフォースインディアとの差は大きすぎた。グリップ的にもマシンバランス的にもまだ苦しんでいるし、マシンを正しいウインドウに入れるのに苦労している。その理由はまだ把握できていないし、パフォーマンス的にはまだまだ足りていない状態だよ」(ガスリー)

 2kmに及ぶ長いストレートでは、予選時の最高速はまずまず伸びた。

 現状ではコンサバティブな使い方をしているホンダ製パワーユニットは、中国GPから予選だけややアグレッシブなモードで5kW(約7馬力)ほどのパワーアップを果たしたルノーに、わずかな差をつけられているのは事実だ。しかし、ドラッグが小さいSTR13は単独走行でフェラーリやウイリアムズとほぼ同じ325km/hまで車速が伸びており、大きな不利にはなっていなかった。

 ただし、決勝では違った。

 予選では常にDRSが使えるが、決勝では前走車1秒以内につけていなければDRSを使うことができない。すると、メインストレートとバックストレートで長時間にわたって空気抵抗が大きな状態での走行を強いられてしまう。

 事前にバッテリーをフル充電してアタックに備え1周4MJ(メガジュール)を放出できる予選とは異なり、決勝では2MJずつしか充電・放出ができない。MGU-H(※)で発電して直接MGU-K(※)に送って放出することもできるが、MGU-Hで発電すればそのぶんターボの効きは弱まり、コーナーの立ち上がりでは逆にMGU-Hを電気で回してターボ過給を助けたほうがラップタイムは速くなる。

※MGU-H=Motor Generator Unit-Heatの略。排気ガスから熱エネルギーを回生する装置。
※MGU-K=Motor Generator Unit-Kineticの略。運動エネルギーを電気エネルギーに変換する装置。

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