トロロッソ・ホンダの弱点は「風」だった。
この課題は解決できるのか

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

「風の強い状況のなかで、マシンをいかに仕上げるかというのはチームにとって課題のひとつだ。どのマシンも風の影響は受けるものだけど、僕らのマシンは他車以上に風の影響を受けやすいみたいなんだ」

 通常、F1マシンは時速300km/h近い走行風を受けてウイングやボディワークでダウンフォースを生み出す。しかし、ダウンフォースがほしいコーナリング中に強い追い風が吹いていれば、それだけ走行風は弱くなる。斜めから風を受ければ、ダウンフォース発生量が不安定になったりする。STR13はそういった風によるダウンフォース発生量の減少が大きいというわけだ。

 それ以外にも「風向きであるとかバンプであるとか、コース図で見ただけではわからない要素も含めての弱点」と田辺テクニカルディレクターは語る。温度変化によるタイヤのウォームアップや、バーレーンから採り入れた新しいフィロソフィによるメカニカル面のセットアップの成否など、まだはっきりとわかっていない小さな要素はいくらでもある。

 トロロッソ・ホンダとしては、こうしたさまざまな要素が絡み合って上海の不振につながったと考えており、その分析が正しいかどうかを、このバクーの週末に確認することになる。

 バクーは中高速コーナーがなく上海とは特性が異なるため、すべてが完璧に確認できるわけではない。だが、セットアップの部分的な反応にフォーカスすることで、その答えを導き出すことは可能だろうという。

「どういう状況だったのかというデータ解析・要因解析をして、自分たちの弱かったところから推定原因を導き出していきます。現状ではそれは推定でしかありませんから、これから実走上で確認しながら自分たちの推定したとおりであるかどうかを突き止めていくというところです。(推定が正しいかどうか)100%クリアにするには上海に行かなければならないわけですが、(バクーでの走行でも)端々にセッティングに入れ込んで善し悪しを見ながら確認していくことになります」(田辺テクニカルディレクター)

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