「雨のタクマ」は惜しいチャンス。悪天候で右往左往のインディ第4戦 (2ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 雨で速いのは誰か? 

 現地のメディアに聞いて回ると、佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)、セバスチャン・ブルデー(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン)、ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)の名前を挙げる人が多かった。

 第3戦ロングビーチで勝ったばかりのアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)はどうか? カリフォルニア出身だし、若いし、雨の経験は少ないと思ったが、「インディカーにデビューしてもう3シーズン目になるけど、ウェットレースが実現するのを心待ちにしていたんだ」と、自信満々のコメントが飛び出した。

 実際にレースが始まると、ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)がポールポジションからトップをキープ。先頭を走る彼には、クリアな視界という非常に大きなアドバンテージが与えられ、22周で赤旗中断となるまでトップを守り通した。

 逆に2番手スタートだったウィル・パワー(チーム・ペンスキー)は、赤旗中断の原因ともなったクラッシュを演じた。コースの端から水が湧き出していたところに前輪が乗って起きたアクシデントだったようだが、ルーキーも含めほぼ全員が走り続けているなかで、パワーだけがクラッシュしたのは、もちろんテクニックの問題ではなく、精神的安定を欠いていたからだろう。

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