ホンダ、インディカーでは絶好調。シボレーとのエンジン競争をリード (2ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano  松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 そのうえ、シボレーはペンスキーを重要視するあまりに、2017年、チップ・ガナッシ・レーシングのホンダ行きを止めることができなかった。

 それでもペンスキーは強く、2016年から2年連続でチャンピオンを獲得。マニュファクチャラーズ・タイトルはシボレーが2012年から6年連続で獲得している。ただ、世界一のイベント、インディ500だけは、この6年でホンダが4勝2敗と勝ち越している。

 今年からエアロキットが全車共通となり、エンジンの重要性が増した。そして開幕からの3戦は、ホンダ勢がPPを連取した。レースでは作戦やピット作業など様々な要素が絡むが、スピード勝負の予選ではエンジンの実力差が結果に表れやすいため、「ホンダエンジンが優位か?」との声が聞かれるのは確かだ。

 しかし、まだ新エアロの解析が全チームとも不十分な状況で、ドライバーの差や、サスペンションを含むセッティングの良し悪しが、スピード、さらには勝敗に影響を及ぼしているようにも見えた。その結果、レースでの優勝は開幕戦がホンダ(セバスチャン・ブルデー/デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン)で、第2戦はシボレー(ジョセフ・ニューガーデン/チーム・ペンスキー)と、星を分け合った。

 ただし、ホンダとシボレーのチームの層の厚さの差は明らかで、開幕戦の表彰台は3人全員がホンダ。2戦目も2位、3位はホンダだった。

 そして迎えたロングビーチ。PPを獲得したロッシ=ホンダは、85周のうちの71周をリード。レース中に2位以下に7秒以上の差をつける圧倒的な速さを披露した。終盤のフルコースコーションで差がゼロになっても、落ち着き払ったリスタートで2位のパワーを突き放し、1.2秒差で今季初、キャリア3回目の優勝を飾った。

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