トロロッソ・ホンダに緊急指令「10日間で不安定の原因を解析せよ」 (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

まさかガスリーとハートレイが同士討ちで自滅するとは......まさかガスリーとハートレイが同士討ちで自滅するとは......「コース自体は違うけど、低速コーナーと高速コーナーのスピードプロファイル(速度域の分布)という点では、バーレーンと上海はかなり似通っている。重要なのは、コーナーに入っていくときのマシンバランスだ。

 コーナーのなかで高いグリップレベルがあることも重要だけど、コーナーのフェイズが変わっていくなかでマシンバランスがどう変化するかも重要なんだ。その点、僕らのクルマは中高速コーナーで大きな荷重がかけられているし、(バーレーンの)土曜にアップデート版で走り始めて1周目からその大きな違いは感じられた。あれほど違うとは思ってもみなかったほどだった」

 これに対してガスリーは、中国GPの決勝を終えて「長いコーナーや長いトラクションエリアが多いこのサーキット自体が僕らのマシンに合っていなかったんだと思う」と結論づけたが、それがマシンそのものの特性なのか、今回のセッティングによるものなのかはまだわからないとした。

 もともと中団グループの上位争いが難しいところに、土曜に踏み違えた一歩を取り戻すことができないまま迷走したのが、中国GPのトロロッソだった。

「僕らには失うものはない」とアグレッシブな戦略で浮上を狙い、「あのままいけばマクラーレンの1台と12位争いはできた」というガスリーだが、2台で戦略が交錯するがゆえにコース上で順位の入れ換えをせねばならず、その際に「チームから指示が出ていたからブレンドンが譲ってくれたと思って飛び込んだけど、彼は立ち上がりで譲るつもりだったらしい」とチームメイト同士で接触。散々な週末になってしまった。

 しかし問題の根幹は、マシン挙動が極めて不安定なものになり、本来のパフォーマンスを発揮することができなかったということにある。

 レース後のブリーフィングを終えたホンダの田辺豊治テクニカルディレクターはこう語った。

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