トロロッソ・ホンダに緊急指令「10日間で不安定の原因を解析せよ」 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

「金曜日はよかったよ。ルノーとは0.3~0.4秒差でしかなかったし、ポジティブだった。もう少し期待していたのは事実だけど、あと0.2秒稼げればトップ10に入るんだから、ある程度は予想していたとおりだったとも言える。

 でも、土曜から違うセットアップにしたことが明らかに正しい方向ではなかった。FP-3(フリー走行3回目)を走り始めてそのことに気づいたけど、予選までのインターバルは2時間しかないし、データの分析にどう対応すべきかという話し合いの結論が出た時点では、もう予選までの時間がそれほど残されていなくて。望んだとおりのセットアップ変更が施せる時間ではなかったし、金曜のセットアップに戻すことはできなかったんだ」(ガスリー)

 ガスリーの言うトリッキーな挙動とはリアの安定感を欠いた状態のことで、コーナーの入口ではリアがふらついてステアリングを思い切って切り込むことができず、コーナーの出口ではトラクションが不足してスロットルが踏めないという二重苦だった。これではマシンを信頼して攻めることができない。

「すごく予測不可能な挙動で、クルマを信頼してドライブすることができなかったんだ。金曜はスタビリティが僕らの強みだったのに、土曜はリアのグリップ感がなかったし、ひどいオーバーステアでトラクションもなかった。あちこちでホイールスピンだらけで、あらゆる立ち上がりでトラクションを失っていた」(ガスリー)

「特に長いコーナー、入口と出口の組み合わさった長い複合コーナーでの速さが欠けていた。バーレーンはストップ&ゴーのサーキットで、そういうところでは速かった」(ブレンドン・ハートレイ)

 当初は「土曜になって急に寒くなったことが影響したのではないか」と見られたが、暖かくなった日曜にも状況が改善しなかったことから、温度が原因である可能性はなさそうだった。

2 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る